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社長の仕事って、目の...

経営計画

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社長の仕事って、目の前の仕事だけなんだろうか。

一日が終わって、ふと振り返ってみる。朝から夕方まで、ずっと手を動かしていた。仕事はたしかに片づいた。それなのに、「今日、会社の将来について考えた時間はあっただろうか」と思うと、ほとんどなかった。

そんな日が続いていませんか。

私自身も、そうなりやすい時期があります。今回は「社長の仕事って、目の前の仕事だけなんだろうか」という問いを、経営者の皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

確定申告の時期、私は何をしているか

税理士にとって、確定申告の時期は一年で最も忙しい時期です。期限が迫ってくると、私自身も、領収書の整理や会計ソフトへの入力に追われます。

目の前には、やるべき作業が積み上がっています。入力が一つ終わるたびに、仕事が片づいていく手応えがあります。そして、期限内に仕事をやり切ったとき、私は幸せを感じます。

この感覚は、本物だと思います。期限を守ることは、お客様との大切な約束です。それを果たせたことが、素直にうれしいのです。

ただ、そのたびに、ふと考えることがあります。

この時間、私は「社長として」何をしていたのだろうか。

幸せを感じるほど、目の前の仕事に集中できていた。それは良いことでもあるのですが、同時に、会社の将来を考える時間は、その間ほとんどなかったことにも気づきます。

目の前の仕事は、なぜ社長に集まるのか

社長のところに仕事が集まるのは、社長に問題があるからではありません。

会社を立ち上げた頃は、営業も、現場も、お金の管理も、社長がすべてやってきました。会社のことを一番よく知っているのは社長ですし、社員に説明するより自分でやった方が早い場面も多いはずです。期限が迫っているときは、なおさらです。

加えて、見落とされやすいことがあります。社員と同じ仕事をして一日働くと、手応えが残ります。仕事が目に見えて片づくのは、うれしいものです。

一方、会社の将来を考える時間は、その日のうちに目に見える成果が出ません。考えても、何も片づいていないように感じます。そのため、気づかないうちに、達成感や幸せを感じやすい仕事のほうへ時間が流れていきます。

これは意志の弱さではなく、誰にでも起こりうることだと思います。頑張りが足りないのではなく、「忙しくしていること」と「経営を進めていること」が、見た目では区別しにくいのです。

私の場合は確定申告の入力作業ですが、皆さんの会社では、お客様対応や見積づくり、現場作業が、同じ役割をしているかもしれません。

「今日の会社」と「3年後の会社」

そこで、社長の仕事を少し分けて考えてみたいと思います。

  • 今日の会社のための仕事:お客様対応、現場の作業、日々の入力や確認など

  • 将来の会社のための仕事:どんな会社にしたいかを考える、数字を見て先の手を打つ、社員が動きやすい役割や仕組みを整える、など

今日の会社のための仕事は、止まると困るので、どうしても優先されます。将来の会社のための仕事は、今日やらなくてもすぐには困りません。だから後回しになります。

けれど、将来の会社のための仕事は、社長が考えなければ、ほかの誰も代わりに決められません。どんな会社を目指すのか、誰にどんな役割を任せていくのか。第1回のコラムでお話しした「目指す会社の姿」も、立ち止まって考える時間があって、はじめて描けるものです。

もちろん、目の前の仕事の価値が低いということではありません。現場に入るからこそ見えることもたくさんあります。大切なのは、どちらか一方ではなく、両方のための時間があるかどうかだと思います。

明日からできる、小さな第一歩

大きな改革は必要ありません。次の3つを、今週のうちに試してみてはいかがでしょうか。

  1. 一週間の仕事を2つに分けてみる
    手帳やカレンダーを見ながら、「今日の会社のための仕事」と「将来の会社のための仕事」に分け、おおよその時間を数えてみます。割合が出るだけで、気づきがあります。

  2. 「会社の未来を考える時間」を先に予定に入れる
    週に60分で十分です。空いた時間に入れるのではなく、お客様との予定と同じように先に確保します。繁忙期こそ、短くても構いません。

  3. 考えた時間にも、小さな達成感をつくる
    60分の終わりに、「今日決めたこと・気づいたこと」を一行だけ手帳に書きます。目に見える成果が出にくい時間だからこそ、一行の記録が手応えになります。

完璧にやろうとしなくて大丈夫です。私自身も、いつもうまくいっているわけではありません。

まとめ

社長の仕事は、目の前の仕事だけではないと、私は考えています。同時に、目の前の仕事を大切にしているからこそ、社長は忙しくなるのだとも思います。

  • 社長に仕事が集まるのは、能力不足ではなく、成長の過程で起こりやすい構造

  • 現場の達成感は大切だが、将来を考える時間は成果が見えにくく、後回しになりやすい

  • 「今日の会社」と「3年後の会社」、両方のための時間が必要

皆さんの先週一週間のうち、会社の未来について考えた時間は、どれくらいあったでしょうか。

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